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一般社団法人コンセプションケア協会

少子化の根本原因

こんにちは。夕妃さおりです。

前回のブログでは、少子化がなぜ国家を揺るがす大問題と言われれているかについて、お話ししました。今回は少子化がなぜ起こっているのか、その根本原因について解説したいと思います。

少子化の大きな要因は、一言でいえば「少母化」です。「少母化」は、コラムニストの荒川和久氏の言葉で、「お母さんになる女性の数」が減少したことを意味します。

子供を産める年齢を15歳-44歳と仮定し、1985年と2020年の該当年齢の女性の人口を比較すると、約30%減少しています。そもそも、子供を産める女性の人数が減少しているのです。

そして更に、「子供を一人以上産んだ女性の数」を比較すると、35年で60%も減少しています。「お母さんになる女性の数」が、35年前と比較して2/5になっているというのは衝撃ではないでしょうか(図1)。

国勢調査より作成

逆に、「1人のお母さんが産む子供の数」は殆ど減少していません。それでもここまで少子化になっているのは、この「少母化」が原因なのです。

この少母化に加えて、今後の少子化を考えるうえで2つ、着目すべきデータがあります。

一つ目が「結婚願望」「結婚予想」の減少、二つ目が「希望子供数の減少」です。

それぞれ見ていきましょう。

18歳~34歳の未婚の女性を対象にした「理想のライフコース」では、独身を選ぶ女性が2015年の5.8%から2021年には12.2%と大きく上昇しました。また、「予想のライフコース」では33%もの女性が「生涯独身」を選んでいるのです(図2)。未婚の母が殆どいない日本において、結婚を希望する女性/結婚すると予想する女性が少なくなってきているのは、今後ますます少子化に拍車をかけることでしょう。

第 16 回出生動向基本調査より抜粋

それに加えて、2021年の出生動向基本調査では、未婚女性の希望子供数が1.79人となり、1982年の2.28人と比べると約0.5人減少、この6年で0.23人減少しました。また、この1.79人という数値は同年の男性よりも低くなりました(図3)。

私が子供の頃の約30年前、兄弟は2人が普通、次に3人兄弟が多く、一人っ子と四人以上の兄弟がいる家庭は稀でしたが、今後は、一人っ子の家庭が増えていくことが予想されます。

第 16 回出生動向基本調査より抜粋

そもそもの「少母化」に加えて、結婚願望/結婚予想が少なくなっているという事実、そして結婚を希望している人ですら、希望する子供の人数が減っているという事実は、少子化にますます拍車をかけるでしょう。

いかがでしたか?数値に基づき、根本原因に目を向けることが、正しい解決策に繋がっていきます。少子化は国家の大問題です。ようやく政府も重い腰を上げ始めましたが、私たちはこの国家を揺るがす喫緊の課題ついて、何ができるかを考える必要があると思います。

出典:1985年国勢調査、2020年国勢調査、2021年社会保障・人口問題基本調査 「第 16 回出生動向基本調査」

参考:PRESIDENT Online 荒川 和久氏コラム「政府の対策は「ひとりで5人産め」というようなもの…人口減少の本質は少子化ではなく「少母化」である」

夕妃さおり

  志希グループ 代表

  医療法人 舞柳 理事

    社団法人 予防・健康協会 監事

  (株)ICMG  IC Director

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